財団の概要

 ●ごあいさつ


会誌第45巻 深い感謝と誇り
一般財団法人成和記念財団 理事長
 金 光 宇

  今年は、私たちの科学振興事業が開始された時から46年になります。
  そして毎年欠かさず発行されてきた会誌「科学技術時代」も、45巻に至りました。
  実に半世紀に迫るこの長き歳月を振り返ると、万感の思いがあります。
  それは、いつもあたたかいご理解ご協力で支えてくださいました皆々様への、深い感謝の気持ちです。
  人類の幸福と発展、安全に科学技術をもって貢献して欲しいとの純粋な期待を込めて、西新井病院創立者の故金萬有医師が投じた私財を基金として進められたこの事業は、在日コリアンなど国籍を問わず、学費や研究生活に苦しむ若き研究者たちへの支援をひたすら続けてきました。
  1977年6月に金萬有科学技術振興会として事業を開始し、翌年の1978年に第1巻を発行した70年代を皮切りに、財団法人の認可(1982年4月)を得た80年代、さらに90年代を経て21世紀に入り一般財団法人成和記念財団への移行(2013年8月)から今日までの歳月…
  先達たちのご尽力とその後を継いできた新世代の歩みの中で、採用者の論文など研究成果を広く発信しつづけた会誌には、まさに受賞者たちの貴いヒューマンドラマが詰まっています。
  46年間の延べ454件の受賞者たちは、大学や研究機関など科学探求の各分野において研究や後進の育成に励み、貴重な業績を積み社会的貢献をしてきました。
  私たちは現役から退いた方々、そしてその背中を見ながら研究に勤しんでいる新世代科学者たちの足跡に思いを寄せ、暖かく支援し後押ししてきたことに、この上ない誇りを感じております。
  地球上の人々が、コロナ禍や自然災害など予知し難い状況に直面し苦しむこの厳しい時代にあって、これからの活路を切り拓いていくためには科学振興がますます重要になります。
  会誌「科学技術時代」が意義深い45巻の発刊を迎える今年、私たちは研究支援事業50周年、会誌50巻にむけてさらに奮起していく所存です。
  皆々様には今後とも変わらぬご理解ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。